やまもも通信
伊豆には、たくさんの美しい自然との出会いがあります。海や温泉はもちろんですが、今回は、心洗われる清流、静岡県清水町にある「柿田川(かきたがわ)」を訪ねてみました。
柿田川は、富士山の雪や雨が長い年月をかけて地中へ浸み込み、伏流水となって湧き出してできた川です。全長は約1.2km。日本一短い一級河川として知られています。その豊かな水量と美しさから、日本三大清流のひとつにも数えられています。
柿田川公園に到着し、木々に囲まれた遊歩道を歩き始めると、すぐにこの川の特別さに気づきます。川面は鏡のように静かで、川底まで見えるくらい、透き通った水が流れます。流れの中を揺れる水草、光の反射できらめく水面、そして絶え間なく湧き出す地下水。幻想的な世界へと導かれていきます。
柿田川の最大の特徴は、川のあちこちに見られる「湧き間(わきま)」です。富士山に降った雨や雪は、地下の溶岩層をゆっくりと流れ、およそ数十年の歳月をかけてこの地に湧き出します。そのため水温は年間を通じておよそ15℃前後と安定しており、透明度も非常に高いことで知られています。
展望台から見下ろすと、大小さまざまな湧き間から水がこんこんと湧き出している様子が観察できます。水面がゆらゆらと揺れ、その下から新しい水が生まれ続ける光景は実に神秘的です。この清流が、富士山の大自然によって育まれていることを感じさせてくれます。
そして柿田川を訪れた人が必ず足を止めるのが、「ブルーホール」です。
円形に広がる鮮やかな青色の水面は、まるで南国の海を切り取ったかのような美しさです。ここは、かつて飲料工場の取水井戸として利用されていた施設の跡地で、現在は富士山の伏流水が湧き出す場所として整備され、多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。
なぜこれほど青く見えるのでしょうか。透明度の高い湧水と深い水底、そして差し込む太陽の光が組み合わさることで、神秘的なコバルトブルーの色彩が生み出されているのです。風のない日には水面が鏡のようになり、まるで青い宝石をのぞき込んでいるような感覚になります。時間帯や天候によって色合いも変化するため、訪れるたびに、違った表情を楽しむことができます。
遊歩道をさらに進むと、清流に寄り添うように緑豊かな森が続きます。鳥のさえずりと水の流れる音だけが聞こえる静かな空間は、日常の慌ただしさを忘れさせてくれます。自然の穏やかな魅力を感じられる場所です。
三島エリアに来たなら、周辺の見どころも合わせて観光したいところです。
まず、vol.076で紹介しました三島スカイウォーク。全長400メートルの日本最長クラスの歩行者専用吊橋で、橋の上からは駿河湾と富士山を同時に望むことができます。前回は、雲で見ることができませんでしたが、今回は、雄大な富士山に出会うことができました!
念願の眺望に出会えました。やはり、富士山は、美しいです。晴天のタイミングをぜひ狙ってみてください。
続いて訪れたのは三嶋大社です。伊豆国一宮として古くから人々の信仰を集めてきた歴史ある神社で、源頼朝ゆかりの地としても知られています。広々とした境内には四季折々の自然があふれ、参拝客がゆったりと散策を楽しんでいました。
境内の一角にある神鹿園では、神の使いとされる鹿さんたちが飼育されています。穏やかな表情で過ごす鹿さんたちの姿に、思わず足を止めて見入ってしまいました。
旅の最後には三島駅周辺から富士山を眺めました。駅前や新幹線ホームから見える富士山は、旅を見送ってくれるかのような存在です。伊豆や三島の旅では、さまざまな場所で富士山の姿に出会えるのも大きな魅力のひとつです。
富士山の恵みを感じられる柿田川は、独自の魅力を持っています。数十年もの歳月をかけて地中を旅した水が湧き出し、澄み切った流れとなって人々を癒してくれる場所。静かな森と清流が織りなす風景は、心を穏やかに整えてくれます。
城ケ崎荘からのドライブにもおすすめの場所、柿田川。伊豆を訪れた際には、ぜひ富士山の恵みが生み出した奇跡の清流を訪ねてみてはいかがでしょうか。
それでは、また。
2026年6月18日
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